(同人コミック)好きで好きで…好きだから|はんなま

【レビュー分析】「好きで好きで…好きだから」の評判は？読者の生の声から魅力を徹底解剖！

本記事は、当本棚管理者のmorinaga によって執筆されています。

3行速報（冒頭の結論・刺さる読者・注意点）

• 結論：憧れの先輩に好かれたい一心で、彼の無茶な要求をすべて受け入れてしまう少女の歪んだ純愛を描いた作品です。その献身的すぎる姿に「健気で可愛い」と魅力を感じる声と、感情移入が難しいという声があり、評価が分かれています。
• 刺さる読者：報われることのない一方的な愛や、自己犠牲的な献身といったテーマに心を惹かれる方に適しています。幸せの形は一つではないと考え、キャラクターの選択を尊重できる、物語の読解力が高い読者におすすめします。
• 注意点：「なぜそこまで好きなのか」という動機の描写が不足しているとの指摘があり、感情移入できない可能性があります。また、ヒロインがぞんざいに扱われるため、ハッピーエンドや甘い展開を求める方には向きません。

「好きで好きで…好きだから」とは、どんな作品か？

本作は、サークル「はんなま」が描く、一途な少女の物語です。主人公は、憧れの先輩に嫌われたくない、ただその一心で、彼が命じることなら何でもしてしまう女の子。たとえそれが学校内で恥辱的な行為であったとしても、彼女は「先輩の為なら…」とすべてを受け入れてしまいます。

その行動は、果たして究極の愛なのか、それともただの依存なのか。読者の価値観を揺さぶる、切なくもハードな純愛の形が描かれます。

レビュー全体の傾向

レビューでは、ヒロインの献身的な姿を「健気で可愛い」と肯定的に捉える声がある一方で、先輩を好きになった理由など、物語の根幹となる心理描写の不足を指摘する厳しい意見も見られ、評価は賛否両論となっています。作者の持つ高い作画力や演出力は評価されているものの、その独特な世界観とストーリーテリングが、読者を選ぶ大きな要因となっているようです。

読者レビューから見える「3つの魅力」

1. 献身的で健気なヒロインの姿

本作の評価の多くは、主人公である少女のキャラクター性に集中しています。好きな先輩のためなら、複数人相手の行為や公然での恥辱さえも厭わない。その常軌を逸した献身ぶりを、一部の読者は「健気で可愛い」と捉え、本作の大きな魅力として挙げています。彼女の行動が、歪んだ形ではあるものの純粋な愛情から来ていると感じられるかどうかが、評価の分かれ目です。

【📝 FANZAレビューより】

ヒロインが健気で可愛い

以上を踏まえ、レビューから見えてきた3つのポイントを整理します。

• 憧れの先輩に嫌われたくない一心で、どんな命令にも従ってしまう健気さ
• 複数人相手でも、彼に命じられれば断らないという一途さ
• 客観的には不幸に見えても、本人は幸せを感じているという、倒錯的な純愛の形

2. 独特の雰囲気を持つ作画と演出

本作の絵柄は「荒さがある」と評される一方で、その独特のタッチが「何かを引き立てる」「ヒロインがセクシーに見える」といった好意的な評価にも繋がっています 。万人受けする美麗な絵柄ではないものの、作者の持つ高い演出力と合わさることで、作品の切ない雰囲気を際立たせる効果を生んでいるようです。

読者の声を参照し、特徴的なポイントを3つ抽出しました。

• 決して万人受けではないが、だからこそ作品の味となっている独特な絵柄
• 読者から「素晴らしい」と評される、高い作画力と演出力
• その独特なタッチが、興奮した女性の姿をよりセクシーに描いているという評価

3. 賛否を呼ぶ、感情移入の難しさ

本作の最も大きな論点は、物語の核となる「なぜヒロインは先輩をそこまで好きなのか」という動機の描写が不足している点です 。このため、ヒロインの行動原理に共感できず、「感情移入できなかった」という厳しい意見も複数見られます。物語の切なさを味わうためには、この不条理さを受け入れる必要があるようです。

【📝 FANZAレビューより】

どうして好きなのか？の大事な部分が欠けている。

最後に、この魅力を理解する鍵となる3点を整理します。

• 引用にある通り、物語の根幹である「好き」の理由が描かれていないという指摘
• キャラクターの行動に説得力を見出せず、感情移入が難しいと感じる読者がいる点
• 一方で、その理不尽さこそが本作の「味」であると捉える声もあること

論点深掘り（批評家morinagaの視点）

本作の評価が賛否に分かれる理由は、物語が**「愛の根拠」を意図的に省略している**からだと私は考えます。レビューで指摘されている通り、読者は「なぜ彼女は、あそこまでクズな先輩を好きなのか」という問いに対する明確な答えを与えられません。通常、物語はこの「なぜ」を丁寧に描くことで、キャラクターの行動に説得力を持たせ、読者の感情移入を促します。

しかし、本作はそれを敢えて放棄しています。これは、作者が描きたかったのが「理由のある愛」ではなく、「理由などない、ただ存在するだけの盲目的な思慕」そのものだったからではないでしょうか。恋に落ちる瞬間に、論理的な理由など存在しないことがあります。本作は、その理不尽で説明不能な「好き」という感情の奔流に呑み込まれた少女の姿を、ただありのままに切り取って見せているのです。

だからこそ、物語に論理的な整合性を求める読者は「感情移入できない」と感じ、一方で、恋の持つ本質的な不条理さを知る読者は、そこに「切なさ」や抗いがたい魅力を感じる。本作は、読者自身の恋愛観や人間観を映し出す鏡のような役割を果たしており、そのために評価が大きく分かれるのでしょう。これは決して欠陥ではなく、極めて挑戦的な作劇の結果であると私は評価します。

私の評価と“買うべき読者像”

じっくり見ると、これはかなり人を選ぶ作品ですね。でも、ハマる人にはとことん刺さるタイプかなって思います。絵のタッチに独特の味があって、ヒロインの切ない表情がすごく印象に残るんですよ。理屈じゃない、どうしようもない「好き」っていう感情の危うさみたいなものを感じたい。そんな気分の時には、手に取ってみる価値のある一作かもしれません。

合わない読者（注意したいポイント）

• 物語やキャラクターの行動に、明確な理由や説得力を求める方。
• ヒロインが幸せになる、救いのある展開やハッピーエンドを好む読者。
• 美麗で整った絵柄を好む方。（本作は独特の荒さも魅力とされています）

まとめ（要点テーブル付き）

いやー、今回の『好きで好きで…好きだから』も、なかなかに考えさせられる作品でしたね。単純なエロで終わらない、このビターな読後感がクセになる感じ。レビューが賛否両論なのも納得です。でも、だからこそ光る何かがある。こういう尖った作品に出会えるのが、同人誌を探す醍醐味だったりしますよね！